本校では、毎年１年生を対象に、「卒業生との懇談会」を実施しています。本校卒業生から看護師としての自己の成長について説明を受けることで、今後の学校生活におけるキャリア形成への動機付けにしています。本年度は、６月１日(木)に行いました。中東遠地域の公立５病院に看護師として勤務している就職２～４年目の卒業生10人(各病院２人)を講師に招きました。

最初に卒業生から、自分が就職後病院で取り組んでいることや病棟の様子の発表があり、

その後、学生が先輩にざっくばらんに質問し先輩が答える形式で、それぞれのグループが５病院のすべての卒業生と懇談しました。

卒業生からは、「１年目に自分の勉強不足、行動力不足を認識した時から、毎日振り返りをノートに記録しています。疾患についても日々勉強し、患者様と個別性のコミュニケーションをとれるよう心掛けています。」「高齢者の退院調整で、患者様やご家族にお伝えするときにイラストを加えて説明し、理解を求めました。」「学校で習わなかった技術も病棟では必要となります。積極的に先輩や同僚に聞いて覚えるようにしています。」など患者様とのエピソード、自分の成長を感じたことなどの話がありました。

グループに分かれての懇談では、今の病院を決めた理由、看護師になってよかったと思うこと・大切にしていること、１年生の今やっておくべきことなど質問が出ていました。

卒業生からは、「自分の健康を守ることが大事です。真面目過ぎるとつぶれてしまうので、悩むことは多くありますが、少し開き直ることが必要です。」「疾患等の勉強にプラスして患者様と信頼関係を築けるような接し方も毎日学んでいます。」「１年生は一番自由な時間が持てますので、課題をしたうえで、旅行などの遊びや接客のアルバイトもしておくといいです。」など実感のこもったアドバイスなどありました。

１年生の感想です

「相談することの大切さを学びました。５・６月の２回の実習で、周囲に相談するタイミングが難しいと先輩が言っていたのがわかり、相談をこまめにすることを心掛け実行しました。今後、授業、演習、臨床実習では、小さなことでも先生・友人に相談することを意識して行動したいです。」

「学生のうちに優先順位をつけて行動する習慣を意識する必要があると知りました。課題をためてしまうことがあるので、課題が出たらすぐに取り掛かる、やるべきことを書き出して管理するなどしていきたいです。」

「学生時代の仲間は一生ものだと聞き、仲間を大切にしたいです。勉強だけでなく学生のうちにしかできないこともやって充実した学生生活を送りたいです。」

今日実施した「卒業生との懇談会」は、日々の学習・演習や実習にどのように取り組んでいくか、１年生それぞれが考える良いきっかけとなりました。参加した10人の卒業生は、自分の率直な思いを語り、在学中よりも頼もしく成長した姿に教員も驚かされました。この懇談会ではコロナ禍で看護師の業務が注目される中、地域医療を支える看護師として働くことの意義ややりがいを伝えるとともに、後輩にもより良い看護の道を歩んでほしいという卒業生の熱い思いが感じられました。卒業生と在校生の距離が近く、縦のつながりが強いという本校の特色が活かされた貴重な時間となりました。